「ピラティスメソッドの成り立ち

メソッド創設者であるドイツ人男性ジョセフ・ピラティス氏の名前が由来となっています。
彼が、「ピラティス」と呼ばれるメソッドを作り出すきっかけとなったのは 1912年第一次世界大戦のとき。
寝たきりの負傷兵に対し、再び自力で起き上がれるようになることを目的とした運動療法を開発したのが始まりです。

ピラティス氏は負傷兵が寝たままでも、立ち上がれなくてもエクササイズが出来るようにベッドのスプリング(ばね)を活用したり、施術台をアレンジしたりして運動を実施させました。
そこから生まれたのが現在のピラティスマシン「リフォーマー」や「キャデラック」です。

ピラティス氏は当時、自身が開発した健康法を「コントロロジー」と呼び「自分で自分自身をコントロールすることを学ぶ学問」と位置付けていました。
なので、マッサージやリハビリテーションのような誰かにやってもらうのではなく、自分自身で自分の身体と心をどのように扱うか、ということにエクササイズを通して学ぶ、ということがコンセプトとなっています。

コントロロジー」を構築するまでに呼吸法や瞑想といった東洋思考も深く学んでおり、ピラティスにもヨガの要素はあらゆる場面に取り入れられています。
何が違うのかというとヨガはポーズの中で身体と心を向き合うのに対し、ピラティスはある一定のリズムに合わせた動きを通して身体と心を見つめるということです。

「ピラティスを始める理由とおすすめする効果

「運動不足」「産後の体調不良」「加齢に伴う体型のくずれ」などが理由としていらっしゃいます。 しかし、最近では身体の悩みだけではなく「精神的ストレスが多い」「もっと自分のために何かをしたい」といった、心の悩みも増えているように感じます。

家庭と仕事を両立する方が多く、日々の生活に追われ心と身体のバランスが崩れがちな社会に瞑想がブームになりつつありますがその中で「マインドフルネス」という言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか。簡単にいうと「いま」「この瞬間」に意識を集中させること。現代を生き抜く女性たちにピラティスが支持され、継続的におすすめしたい理由としては、身体を動かすことでの運動不足解消だけではなく、このマインドフルネス効果によるものが大きいです。ピラティスの根本にも「心も身体もひとつ(Whole Body)」という考え方があり、エクササイズを通して身体と心と精神を調和させていく。「内側に目を向ける」ことを大切にしています

ピラティスにおいては、身体の内側にある骨その中でも主に支えている背骨26個を一骨一骨意識しながら丁寧に動かしていきます。
結果どれだけ身体を動かしたのかは重要ではなく、どのようにして動かしたかに注目し、そのコンセプトを「マインドフルネスムーブメント」として皆さんにお伝えしています。
最初からすぐに実践できる方はほとんどいませんが少しずつ、「自身の身体の状態を知る」ことから始め、「できないことに気づく」「意識すればできる」「無意識にできる」ところまで繰り返しトレーニングしていきます。

現在の身体と心の在り方は、これまで生きてきたなかで築き上げてきたそれぞれの癖によるもの。 身体と心の再教育を志したとき、第一歩は気づきであり、それがピラティスのエクササイズであるといえます。

もともとは身体の悩みを解消すべくピラティスを始めた方でも、続けるうちに姿勢や不調の改善はもちろんのこと、エクササイズを通して身体のことを知り、セルフマネジメントができるようになったことで生活のすべてが変わったとおっしゃる方がとても多いです。

ストレスを持ち越さなくなった」「表情がやわらかくなって雰囲気がよくなった」と言われる方も多いです。総じて皆さん生きやすくなっているのも感じますし、結果として姿勢も美しくボデイラインもシェイプされ、精神の充実がにじみでるようなすこやかな美しさを手に入れていらっしゃいます。

「ピラティス10の原則

ピラティスのエクササイズを行うにあたって常に念頭においておこなって頂きたい原則です。

意識・気づき
Awareness
呼吸
Breathing
バランス
Balance
集中
Concentrtion
コントロール
Control
中心
Center
能率
Efficiency
流れ
Flow
正確さ
Precision
調和
Harmony

このピラティスである「マインドフルネスムーブメント」を通して得られるのは、一時的な満足感ではありません。身体と心、つまりは人生までもを大きく変える可能性のあるたくさんの“気づき”がジョセフ・ピラティスの目指したメソッドでもある。